【レストラン 東京青梅】井中居 素晴らしい懐石料理
【見た目も美しい懐石、味よし、サービス良し、雰囲気良しの名店!】
井中居 @ 東京都青梅市 @ 懐石料理 2016-03-12
いや〜っ、久々に感動しっぱなしの素晴らしい懐石とでした! 皆様に自信を持ってオススメできるお店です!
青梅市の青梅厚生病院のそばにある懐石料理のお店です。五日市の黒茶屋の系列店です。黒茶屋には随分伺っており、その都度行きたいと思いながら今まで機会が無かったのがこの井中居です。
予約の段階で料理を決めて欲しいとの事で、初めてなので、様子見をする為、3段階の一番下、5,500円のコースをお願いしました。
竹林の間を折り曲がったアプローチを進むと右手に待合室の蔵が堂々とした佇まいで現れます。そして古民家風の本館の玄関へ。靴を脱いで上がると、そこはロビーとギャラリー。客席は二階へ広い階段を上がります。
テーブルは襖か板戸で仕切られ半個室になって居ますが、天井が吹き抜けなので隣の話し声はよく聞こえて来ます。見上げるとふとい古木の梁ががっしりと組み合わさった立派な古民家です。
前菜でまずびっくり。早春花見月漆台と称して、細長い朱塗りの台に5品が美しく載せられ、桜の花と菜の花が添えられて春の風情。筍の皮に乗ったウド、桜の葉で巻いた卵焼き、竹に乗ったコゴミなどの山菜、ハマグリに乗った芹などの白和え、竹筒に入った菜の花のからしあえ、とても説明しきれません。
次いで海老の包み揚げの椀。金色の椀が存在感を主張、ふたを開けると、四角い包み揚げ、麩、椎茸、三つ葉の入った芳醇な味わいのスープが秀逸。
太い孟宗竹に載ったお造りが登場。氷を敷き詰めて、竹筒に桜鯛と鱒の刺身、そして蕨、自然薯、蕪があしらってあり美しい!
次に揚げ物は山女の唐揚げ。揚げるのに少し時間がかかるとの事で暫し中断。登場したのは、良く揚げた山女の甘酢あんかけ、甘酢の良い香りが鼻腔を刺激します。上には白髪葱と蕗の薹が載り春を演出しています。頭からバリバリと頂くと、もう堪りません。
焚き合わせ、新じゃが、筍、春菊、木の芽、蕗の薹。う〜ん、春じゃ春じゃ! 驚くのは、蕗と春菊が信じられないほどシャキシャキな事。出汁も一滴も残したく無い美味しさ。
春野菜のサラダ、これは想像と違い小さくて可愛らしい。チョップしたウドや人参、春キャベツ、湯葉、若芽、ちりめんじゃこなどに海苔を散らし、細い糸鰹節が載り、さっぱりした品です。鰹節の主張が強いのでこれは要らない気もしました。
赤味噌仕立ての止椀、竹に載った香の物、ご飯が一度に白木の盆に南天の葉をひいて登場。
ご飯は、ちらし寿司蒸籠蒸し、穴子、海老、椎茸、錦糸卵、木の芽、土筆入り。
デザートは二つ、オレンジムースの上にオレンジゼリーを掛け、苺と黒豆を載せたもの。そしてココナッツシャーベットに小豆餡とクコの実を載せ、つぶつぶの真砂あられをまぶしたもの。白い大きな器に氷をびっしりと載せ、その上にがラスと陶器の可愛い二つの容器が載っています。中央に添えられたミカンの葉が美しい。勿論美味しいスイーツでしま。
サービスは作務衣姿の若いお嬢さん達、笑顔が素敵で言葉遣い、立ち居振る舞いも上品な好感度の高い方々です。
あと、ドリンクの値段設定が低めなのも嬉しい点です。
こちらのメニューは月替わり、5,500, 8,000, 10,000円とある夜のコースの価格の違いは品数なので基本のお料理は同じとの事。このお店では、炭火焼を織り込んだ料理構成の五日市の黒茶屋や肉を織り込んだ構成のあきる野の燈々庵との差別化を考える、肉は滅多に組み込まれず、野菜と魚の料理で組み立てたコースです。8,000円と10,000円のコースにはもう一品魚料理が追加されます。印象としては今回の5,500円のコースで充分お腹いっぱいになるし、存分に楽しめるのでこれが一番だと思います。つまり、月に一度訪れると違ったお料理を楽しめるという事です。
なお、駐車場を間違えやすいのですが、八王子方面から来て、お店の塀の前にあるのは他所の駐車場で、こちらのは、お店を過ぎた端の狭い道を左折、案内に従って砂利道を進みます。
この席の雰囲気、サービス、お料理、都内のお店なら15,000-20,000円でもおかしく無い内容です。
食べ終わって見ると、全品に感動した事に気付きました。こんなに素晴らしいお店、もっと早く来なかったのが悔やまれます。